カラリパヤットゥ
カラリパヤットゥについて
カラリパヤットゥって何?
カラリパヤットゥは、南インド(ケーララ州)に古くから伝わる武術で、諸説ありますが、一説には、空手や少林寺拳法のルーツとも言われています。奥深い武術の知識を持ち合わせている事から、武術の宝庫として知られています。カラリパヤットの道場では、子どもから大人まで、学生から社会人がみんな一緒になって、毎朝カラリの稽古で汗を流し、稽古の後に学校や職場へと通う光景が日常となっています(写真、朝稽古の様子)。 武術に必要なしなやかな身体つくりのためのトレーニング方法がたくさん詰まっていることもカラリパヤットの特徴の一つです。 カラリパヤットの体系的なトレーニングエクササイズで身体を鍛える事によって、背骨の引きあがったまっすぐな体軸バランスと柔軟性、身体をコントロールする力、ジャンプ力と強い足腰、さらにスタミナを身に付けることができます。
カラリパヤットゥの魅力とは
非常に歴史があることです。4世紀頃には剣の稽古としてカラリの稽古が行われていたようです。
長い戦いの歴史の中(中世のケーララ)で、戦士の身体鍛錬法としても発展してきました。現在のような形に近いものに発展したのは、12世紀以降だという見解が、多くの学識者のいうところです。
現在は、実際に戦いに使われる事はなく、身体トレーニング法として確立されているほか、しなやかで美しい動きは、舞台芸術、ダンス芸能とのコラボレーション演舞に多用されるなど、舞台芸術者の間でも注目されています
一方で、武術の知識が詰まっていて、武術の宝庫と言われています。戦うための知識は、道場の稽古で師匠が教えることはありません。それらの知識は上級生の動きを目で見て学ぶもので、実際の武器術を通して身体で覚えるものだそうです。理論は後からついてくるもの、ひたすら練習という現地での稽古のスタイルは昔から変わりません。
また、武術に必要な身体をつくるための優れた身体訓練法を持つのが特徴です。これらは全身を鍛える基本的な鍛錬エクササイズからなっています
さらに、オイルを用いた治療法を持ち合わせていて、身体を知り尽くしたマスターによるマッサージなどの様々な治療が行われているのもカラリ道場の特徴です。
流派について
カラリパヤットゥには、大きく分けて二つの流派スタイル;北派スタイル(アーリア系譜)、南派スタイル(ドラヴィダ系譜)があります。さらに、同じスタイルの中でも、様々な流派があり、一般的にひとくくりにされるカラリパヤットゥですが、流派によって、動きの質や訓練方法、武器術の種類や内容、武器の形まで異なっています。 私たちは、数ある流派の中でも、北派の正統派と言われるCVNスタイルのCVNカラリ(CVN Kalari Nadakkav)を受け継いでいます。CVNカラリジャパンは、CVNスタイルが継承する訓練方法に基づいたトレーニングメニューをもとに指導しています。トレーニングメニューについては、こちらに解説しています。
カラリパヤットゥの道場
カラリの道場は、ときにお寺のような役割を果たし、道場そのものが大変神聖な場所とされています。道場にはしきたりや決まり事がたくさんあって、道場生は厳しい規律と規則のもと、お稽古を行っています。同時に、道場は非常に閉ざされた場所であり、その昔は、外国人が気軽に入門できる場所でもありませんでしたが、時代の流れとともに、道場も変わりつつあります。 イギリスの植民地時代には衰退の途にあったカラリパヤットゥですが、インド独立運動のときの文芸復興運動の煽りも後押しし、先代のマスターたちの努力によって見事に復興を果たすことができたのです。失ったものも大きく、受け継がれなかった秘技も多々あるかもしれませんし、かつての輝きを完全に取り戻したとは言えませんが、それでも、カラリパヤットゥは、復興した伝統芸能の成功例だといえます。